専攻科修了証書授与式
3月6日に第10回専攻科修了式授与式を挙行しました。
看護師になるという夢をもち入学して早5年。新型コロナウイルスに翻弄された日々もありましたが、どんな時も支え合い乗り越えてきた仲間との時間は、かけがえのないものになったことでしょう。
4月からは看護師として、社会に出ていく10期生のみなさん。
みなさんの優しさ、そして笑顔は患者さんに安らぎを与えるものになるでしょう。
今後の活躍を期待しています!
頑張れ!10期生!
担任の先生からの愛情たっぷりのプレゼント。
学生はみんな目に涙を浮かべ感動していました。
答辞より一部抜粋
(中略)
専攻科1年次は、高校とのレベルの違いに圧倒されました。日々勉強についていけるのだろうかという不安や焦燥感を感じながらも机に向かいました。何教科もの講義と単位認定試験をクラスメイトと助け合いながら、乗り越えられたことは私にとって自信になりました。
42名で専攻科2年生を迎えた今年度。約半年間に及ぶ領域別での実習や私達の最終目標である看護師国家試験が待ち受けており、緊張の連続でした。
臨地実習では、たくさんの出会いがあり、さまざまな年代や状況の患者様と関わり、実際の看護を学ぶことができました。しかし、どれだけ学習を重ねていても、医療現場に出向くと知識の少なさが目立ち、自分の観察力や判断力の未熟さを痛感しました。
それでも、未熟ながら実習以外の時間は、寝る間も惜しみ、患者様のためにできることはないかと考え、学習に励みました。私は、終末期の患者様を受け持たせていただく機会がありました。それは、初めて他者の人生や死に向き合った体験でした。その方との関わりの中で最も印象に残った出来事があります。看護師が牛乳のパックにストローをさして患者様に手渡しました。看護師が去ったあと、患者様は「自分でできるのに、病気だからって気を使われるのは苦痛だ」と話してくださいました。この出来事で、些細な事であっても患者様のできることを奪うことは、自尊心を傷つけることになると学びました。これからは、病気ばかりに目を向けず患者様の心に寄り添う看護を実践しようと心に決めました。その後の臨地実習は新型コロナウイルスの影響で校内実習へと切り替わりました。お別れの言葉やお礼も言えず、患者様とご家族の前から立ち去ることになり、本当に悔しく悲しかったです。
せめて、感謝の気持ちを伝えたくて、担任の先生にお願いして手紙を送ることになりました。数か月後、病棟師長さんより私宛に手紙が届きました。手紙には、患者様が実習最終日に息を引き取られたと書かれていました。奥様のご厚意で、学生である私の今後の励みにしてほしいと看護師長さんに託された患者様からの手紙も添えられていました。文字が震えており、痛みで字を書くのもままならない中、直筆で書かれたメッセージを残してくれた患者様の強い思いを感じました。表面的な優しさではなく私は、患者様が真に望むことを理解しようと努力することだけは忘れません。きっと、これからの道のりで何度も苦難が待ち構えていると思います。その時には、何度も患者様の手紙を読み返して、前を向こうと思います。
(中略)
この5年間を含めた20年間どんな時も見守り、支え続けてくれた両親にはとても感謝しています。これからも看護師として成長していく姿を見守ってくれると嬉しいです。両親にとって、誇りに思えるような娘に、そして看護師になることを約束します。
令和5年3月6日 修了生代表 迫木 愛莉